介護の合間の「自分時間」の作り方:心と体のリフレッシュ術
介護は、24時間365日、終わりが見えない長距離走です。常に要介護者のことを考え、自分の時間は後回しになりがちです。しかし、介護者が心身ともに疲れ果ててしまうと、質の高い介護を継続することが難しくなります。私も母の介護中、「自分の時間なんてない」と感じる日々でしたが、意識的に「自分時間」を作ることで、心身のバランスを保ち、介護を続けることができました。
この記事では、介護の合間に「自分時間」を作るための具体的な工夫、そして心と体をリフレッシュさせるための実践的な方法について、私の経験を交えながら詳しく解説します。
1. なぜ介護者にも「自分時間」が必要なのか?
「自分時間」は、介護者にとって贅沢な時間ではなく、介護を継続するために不可欠なものです。
- 心身の疲労回復: 介護ストレスを解消し、心身をリフレッシュすることで、介護の質を維持できます。
- 感情の調整: イライラや不安といったネガティブな感情をコントロールし、穏やかな気持ちで要介護者と接することができます。
- 自己肯定感の維持: 介護以外の自分自身の活動や役割を持つことで、自己肯定感を保ち、孤独感を軽減できます。
- 介護の継続: 無理なく介護を続けるための「ガソリン補給」のようなものです。
2. 介護の合間に「自分時間」を作る具体的な工夫
「時間がない」と諦める前に、以下の工夫を試してみましょう。
- ① 介護サービスを徹底的に活用する:
- ショートステイ: 数日~数週間のまとまった時間を確保できる、最も効果的な方法です。この期間に、自分の病院受診、趣味の時間、旅行などを計画しましょう。
- デイサービス/デイケア: 日中の数時間、介護から解放される時間を作れます。その間に、自分の用事を済ませたり、休息を取ったりできます。
- 訪問介護/訪問看護: ヘルパーさんや看護師さんが来ている間、短時間でも外出したり、別の部屋で休憩したりできます。
- 私の工夫: 母がデイサービスに行っている間は、仕事をしたり、自分のためだけの時間(読書、カフェに行くなど)を確保しました。ショートステイは、私が体調を崩した時や、どうしても外せない用事がある時に活用し、その間に心身を休ませました。
- ② 家族・友人・近隣に「協力」を求める:
- 「少しの時間でいいから見ていてほしい」「買い物に行ってきてほしい」など、具体的な内容を伝えて、遠慮なく助けを求めましょう。
- 私の経験: 近所に住む友人や、遠方の兄弟にも、定期的に「〇時に電話するから、その間だけ母を見守っていてほしい」とお願いし、数十分でも買い物の時間を作りました。
- ③ 時間管理を見直す:
- 一日のスケジュールを書き出し、どこに「隙間時間」があるかを見つけましょう。
- 「15分だけ」「30分だけ」といった短い時間でも、自分に使う価値は十分にあります。
- ④ 家事や他の役割の「完璧」を手放す:
- 「全てを完璧にやらなければ」という思い込みは、自分を追い詰めます。家事代行サービス、配食サービス、ロボット掃除機など、利用できるものは積極的に活用し、負担を減らしましょう。
- 私の工夫: 週末だけは食事の準備を惣菜や冷凍食品に頼ったり、掃除を最低限にしたりするなど、「完璧」を求めない日を作るようにしました。
3. 心と体をリフレッシュさせる実践的な方法
せっかく作った「自分時間」を、効果的にリフレッシュに繋げましょう。
- ① 心を休ませるリラックスタイム:
- 読書や音楽鑑賞: 好きな本を読んだり、心地よい音楽を聴いたりする。
- アロマテラピー: 好きな香りのアロマを焚いてリラックスする。
- 瞑想や深呼吸: 短時間でも、心を落ち着かせる時間を作る。
- 温かい飲み物: ゆっくりと温かい飲み物を味わう。
- ② 体を癒す活動:
- 軽い運動: 散歩、ストレッチ、ヨガなど。短時間でも体を動かすと気分転換になります。
- 入浴: 湯船にゆっくり浸かる、入浴剤を使うなど。
- 睡眠: 十分な睡眠を確保し、疲労回復を促しましょう。
- ③ 社会と繋がる交流:
- 友人とのランチや電話: 介護以外の話題で盛り上がり、気分転換を図る。
- 介護者の会に参加する: 同じ境遇の仲間と悩みを共有し、共感し合うことで、孤独感が和らぎます。
- 趣味のサークル活動: 短時間でも参加できるサークルやオンラインコミュニティを見つける。
- ④ 自分を「褒める」習慣:
- 「今日も一日頑張った」「よくやった」と、毎日寝る前に自分自身を褒めてあげましょう。
まとめ
介護者が心身の健康を保ち、長期的に介護を継続していくためには、「自分時間」の確保が不可欠です。介護サービスを積極的に活用し、家族や友人にも協力を求め、時間管理を工夫することで、たとえ短時間でも自分だけの時間を作り出しましょう。
そして、その時間を心と体をリフレッシュさせるために活用し、ストレスを上手に解消してください。介護者の笑顔が、要介護者の笑顔に繋がるのです。あなたは十分に頑張っています。自分を労わることを忘れないでください。