【要介護度別】介護保険で受けられるサービス徹底解説：我が家の実例から学ぶ
介護保険の要介護認定を受けた後、「で、結局何ができるの？」と疑問に思う方は多いでしょう。私も、母の要介護認定が下りた時、どのサービスが利用できるのか、どこから手をつければいいのか、全く分かりませんでした。しかし、介護保険サービスを賢く利用することは、介護者の負担を軽減し、要介護者自身が自分らしい生活を送るために不可欠です。
この記事では、要介護度別にどのようなサービスが受けられるのかを具体的に解説するとともに、我が家で実際に利用したサービスとその効果について、実例を交えながらご紹介します。
1. 介護保険サービスの種類を知る
介護保険サービスは大きく分けて、自宅で受ける「居宅サービス」、施設に入所する「施設サービス」、地域に密着した「地域密着型サービス」の3つがあります。
- 居宅サービス: 自宅で生活しながら利用するサービス。
- 訪問介護: ホームヘルパーが自宅を訪問し、身体介護（入浴、排泄、食事介助など）や生活援助（掃除、洗濯、買い物など）を行います。
- 訪問入浴介護: 浴槽を持参し、自宅で入浴介助を行います。
- 訪問看護: 看護師が自宅を訪問し、医療的なケアや健康管理を行います。
- 通所介護（デイサービス）: 施設に通い、食事、入浴、レクリエーション、機能訓練などを受けます。他の利用者との交流が図れます。
- 通所リハビリテーション（デイケア）: 施設に通い、理学療法士などによるリハビリテーションを受けます。
- 短期入所生活介護（ショートステイ）: 短期間施設に入所し、生活介護や機能訓練を受けます。介護者の休息（レスパイトケア）に利用できます。
- 福祉用具貸与: 車いす、特殊寝台などの福祉用具をレンタルできます。
- 特定福祉用具購入: 入浴補助用具、簡易浴槽などの購入費の一部が支給されます。
- 住宅改修: 手すりの取り付け、段差の解消などの住宅改修費の一部が支給されます。
- 施設サービス: 施設に入所して生活するサービス。
- 介護老人福祉施設（特別養護老人ホーム）、介護老人保健施設、介護医療院などがあります。
- 地域密着型サービス: 住み慣れた地域で生活を続けるためのサービス。
- 小規模多機能型居宅介護（訪問・通所・泊まりを組み合わせる）、認知症対応型通所介護などがあります。
2. 要介護度別の利用目安と我が家の実例
要介護度によって、利用できるサービスの「支給限度額」が変わります。この支給限度額内で、ケアマネージャーと相談しながらケアプランを作成し、サービスを組み合わせて利用します。
【要支援1・2の場合】 主に、介護予防を目的としたサービスを利用します。
- 我が家の実例: 母が要支援1の時、まずは週2回のデイサービスを始めました。最初は嫌がりましたが、他の利用者との交流やレクリエーションが楽しくなり、徐々に活動量が増えました。また、訪問介護で簡単な買い物を手伝ってもらうこともありました。この段階で、母の外出機会が増え、閉じこもりを防ぐことができました。
【要介護1〜2の場合】 部分的な介護が必要な段階です。日常生活の一部で介助が必要になります。
- 我が家の実例: 要介護1になった頃から、訪問介護の回数を増やし、週3回入浴介助もお願いするようになりました。私一人での入浴介助は困難だったので、専門の方にお願いすることで、母も私も負担が軽減されました。また、週3回のデイサービスは継続し、日中の見守りと運動の機会を確保しました。
【要介護3〜5の場合】 全面的な介護が必要な段階です。多くの介助が必要になります。
- 我が家の実例: 母が要介護3〜4の時期は、訪問介護（身体介護）を週5回、訪問看護を週2回、デイサービスを週3回、そして月に1〜2回のショートステイを積極的に利用しました。特に、ショートステイは、私が介護から完全に離れて休息を取るための大切な時間でした。また、体調の悪化や認知症の進行に伴い、福祉用具貸与で特殊寝台や車いすを借りたり、住宅改修でトイレに手すりをつけたりもしました。これにより、自宅での介護を継続することが可能になりました。
3. サービス利用のポイントと注意点
- ケアマネージャーとの連携: ケアマネージャーは、あなたと要介護者の状況を理解し、最適なケアプランを提案してくれる最も重要なパートナーです。困ったことや希望は遠慮なく伝えましょう。
- 本人の意思を尊重する: 利用するサービスは、可能な限り本人の希望や意向を尊重することが大切です。
- 介護者の負担軽減を最優先に: 介護は長期戦です。介護者が倒れてしまっては元も子もありません。自分の時間や休息を確保するために、サービスを積極的に利用しましょう。
- 無理のない範囲で: ケアプランは柔軟に変更できます。状況に応じて、サービスの種類や回数を見直しましょう。
- サービスの組み合わせ: 複数のサービスを組み合わせることで、よりきめ細やかな介護が可能になります。
まとめ
介護保険サービスは、適切に利用すれば、介護生活を大きく支えてくれる心強い味方です。要介護度に応じたサービスを理解し、ケアマネージャーと密に連携しながら、あなたと要介護者にとって最適なケアプランを作り上げてください。
決して一人で抱え込まず、使えるサービスは最大限活用しましょう。
