介護で使える補助金・助成金ガイド:知って得するお金の話

介護には、様々な費用がかかります。介護保険サービスを利用しても自己負担は発生しますし、おむつ代や介護用品費、住宅改修費など、保険外の出費も少なくありません。「お金の心配が尽きない」という声は、多くの介護者から聞かれる切実な悩みです。私も母の介護費用で頭を抱えた経験があります。しかし、国や自治体には、介護者の経済的負担を軽減するための様々な補助金や助成金があります。

この記事では、介護で利用できる主な補助金や助成金の種類と、その活用方法について、私が実際に利用した経験を交えながら詳しく解説します。知っているだけで得をするお金の話、ぜひ参考にしてください。

1. 介護保険サービス利用時の負担軽減制度

介護保険サービスを利用する際、所得に応じて自己負担割合が1割〜3割となりますが、さらに負担を軽減する制度があります。

  • 高額介護サービス費制度:
    • 内容: 1ヶ月に支払った介護保険サービス費の自己負担額が、所得に応じた上限額を超えた場合、超えた分が払い戻される制度です。
    • 活用術: これは自動的に適用されるわけではなく、自己負担額が上限を超えた場合は、市区町村から申請書が送られてくることがほとんどです。送られてきたら必ず申請しましょう。私はこの制度のおかげで、毎月の介護費用を大きく抑えることができました。
  • 特定入所者介護サービス費(負担限度額認定):
    • 内容: 介護保険施設に入所する際の食費と居住費(滞在費)は、介護保険の対象外で全額自己負担ですが、低所得の方に対しては、所得に応じた負担の上限額が定められています。
    • 活用術: これも申請が必要です。市区町村の窓口で「負担限度額認定」の申請を行い、認定証が交付されれば、食費と居住費の負担を軽減できます。

2. 自宅での介護をサポートする補助金・助成金

  • 住宅改修費の支給:
    • 内容: 要介護認定を受けた人が、自宅で安全に生活できるようにするための住宅改修(手すりの取り付け、段差の解消、滑り止め設置など)にかかった費用の20万円までが、介護保険から9割支給されます(自己負担1割)。
    • 活用術: 我が家では、母が自宅で転倒しないよう、トイレや廊下に手すりをつけました。事前にケアマネージャーに相談し、適切な業者を選び、申請手続きもサポートしてもらいました。この制度なしには、改修は難しかったでしょう。
  • 特定福祉用具購入費の支給:
    • 内容: 入浴補助用具、簡易浴槽、腰掛便座など、排泄や入浴のために貸与になじまない特定福祉用具の購入費が、年間10万円まで、介護保険から9割支給されます(自己負担1割)。
    • 活用術: 母のために介護用のポータブルトイレや入浴椅子を購入する際に利用しました。事前にケアマネージャーや福祉用具専門相談員に相談し、対象となる用具かを確認してから購入することが重要です。

3. 医療費に関する負担軽減制度

介護と医療は密接に関わっています。

  • 高額療養費制度:
    • 内容: 1ヶ月の医療費の自己負担額が、所得に応じた上限額を超えた場合、超えた分が払い戻される制度です。
    • 活用術: これは医療保険制度の補助金です。介護サービス費とは別枠ですが、高齢者は医療費がかさむことが多いので、併せて利用できるか確認しましょう。
  • 医療費控除:
    • 内容: 1年間に支払った医療費(介護サービス費用の一部も含む)が一定額を超えた場合、確定申告で所得控除が受けられる制度です。
    • 活用術: 介護保険サービス費の自己負担額のうち、訪問看護やデイケアなどの医療系サービス費用は医療費控除の対象になります。領収書は必ず保管しておきましょう。交通費なども対象になる場合があります。

4. その他、自治体独自の補助金や助成金

国が定める制度以外にも、各市区町村や都道府県が独自に介護に関する補助金や助成金を提供している場合があります。

  • : おむつ購入費の助成、介護用品の支給、家族介護慰労金、見守り機器の導入補助など。
    • 情報収集のコツ: お住まいの市区町村のホームページや、地域包括支援センターに問い合わせてみましょう。意外と知られていない制度が見つかることがあります。

5. 補助金・助成金利用の共通の注意点

  • 申請期間と条件を確認: 制度ごとに申請期間や対象となる条件が異なります。必ず事前に確認しましょう。
  • 事前に相談・手続き: ほとんどの補助金・助成金は、サービスを利用する前や購入する前に、ケアマネージャーや市区町村の窓口に相談・申請が必要です。事後申請では認められないことが多いので注意しましょう。
  • 領収書・明細書の保管: 申請や確定申告に必要となるため、全ての領収書やサービス利用明細書は大切に保管しておきましょう。

まとめ

介護費用は家計に大きな影響を与えますが、国や自治体には、その負担を軽減するための様々な補助金や助成金が存在します。これらの制度を知り、適切に活用することで、経済的な不安を減らし、安心して介護を続けることができます。

決して「自分には関係ない」と決めつけず、まずは地域包括支援センターや市区町村の窓口に相談し、利用できる制度を積極的に探してみましょう。

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