介護用品レンタル・購入ガイド:賢く選んで負担軽減!
在宅介護を続ける上で、様々な介護用品が必要になります。ベッド、車椅子、ポータブルトイレ、入浴補助具など、種類も多く、どれを選べばいいのか、購入すべきかレンタルすべきか、費用はどれくらいかかるのか、悩むことも多いでしょう。私も母の介護用品を選ぶ際、その選択肢の多さに驚きました。この記事では、介護用品のレンタルと購入のメリット・デメリット、介護保険を活用した賢い選び方、そして私が実際に役立った介護用品について詳しく解説します。
1. 介護用品は「レンタル」か「購入」か?
まず、介護用品には「レンタル」と「購入」のどちらが適しているか、介護保険の対象となるかどうかで大きく分かれます。
【介護保険の対象となるレンタル品】
- メリット:
- 初期費用を抑えられる。
- 状態の変化に合わせて、種類やサイズを交換しやすい。
- メンテナンスやクリーニングは業者が行う。
- 不要になった際の処分が楽。
- デメリット:
- 長期利用では総額が高くなる可能性がある。
- 自分のものにならない。
- 主な対象品目:
- **特殊寝台(介護ベッド)**とその付属品(マットレス、サイドレールなど)
- 車椅子とその付属品(クッション、電動補助装置など)
- 床ずれ防止用具(エアマットなど)
- 体位変換器
- 手すり(据え置き型など)
- 歩行器、歩行補助杖
- 認知症老人徘徊感知機器
- 移動用リフト(段差解消機は除く)
- 自動排泄処理装置
- 費用: 原則として費用の1割(所得により2割または3割)が自己負担。
【介護保険の対象となる購入品(特定福祉用具販売)】
- メリット:
- 完全に自分のものになる。
- いつでも使用できる。
- 長期利用ではレンタルより安くなる可能性がある。
- デメリット:
- 初期費用がかかる。
- 状態の変化で合わなくなっても交換が難しい。
- メンテナンスや処分は自己責任。
- 主な対象品目:
- 腰掛便座(ポータブルトイレ、補高便座など)
- 特殊尿器
- 入浴補助用具(入浴用いす、浴槽手すり、すのこなど)
- 簡易浴槽
- 移動用リフトのつり具部分
- 自動排泄処理装置の交換可能部品
- 費用: 年間10万円を上限に、購入費の1割(所得により2割または3割)が自己負担。事前にケアマネージャーに相談し、購入前に都道府県指定の事業所から購入する必要がある。
2. 賢く選ぶためのポイント
- ① ケアマネージャーに相談する:
- 最も重要なステップです。介護保険の対象となるか、どのような福祉用具が本人に最適かなど、専門家であるケアマネージャーに必ず相談しましょう。彼らが、福祉用具専門相談員への橋渡しをしてくれます。
- ② 福祉用具専門相談員を活用する:
- 福祉用具貸与・販売事業所には、「福祉用具専門相談員」がいます。彼らは、本人の身体状況や生活環境に合わせて、最適な用具を選定し、使い方を指導してくれます。
- 試用期間: レンタルの場合、しばらく試用できる場合もありますので、確認しましょう。
- 私の経験: 母の車椅子を選ぶ際、福祉用具専門相談員さんが自宅に来て、母の身体に合ったサイズや、家の中の動線を考慮して、最適なものを選んでくれました。無理に高いものを勧めず、本当に必要なものを提案してくれたことに感謝しています。
- ③ 本人の状態と将来性を見据える:
- 現状だけでなく、今後、要介護度が進行する可能性も考慮して、調整が可能なものや、将来性のある用具を選ぶと良いでしょう。
- ④ 費用対効果を比較検討する:
- レンタルと購入で迷う場合は、利用期間の目安を立て、それぞれの総費用を比較してみましょう。
- ⑤ 安全性と操作性を重視する:
- 実際に利用する本人や介護者が、安全に、そして簡単に使えるかどうかを確認しましょう。操作が複雑すぎると、結局使わなくなってしまうことがあります。
- ⑥ メンテナンス・アフターサービスを確認する:
- レンタル品であれば、故障時の対応やメンテナンス体制。購入品であれば、保証期間や修理対応について確認しておきましょう。
3. 私が役立った介護用品と選んだ理由
- 介護用ベッド(レンタル):
- 選んだ理由: 寝たきりの時間が長くなった母の体圧分散と、介護者の腰への負担軽減のため。背上げ・足上げ機能は、食事介助やおむつ交換に不可欠でした。レンタルのため、状態に合わせて高さを変えたり、機能を調整したりできるのが良かったです。
- ポータブルトイレ(購入):
- 選んだ理由: 寝室の近くに設置することで、夜間のトイレ移動の負担を減らし、転倒リスクも軽減できました。排泄後の処理がしやすいタイプを選びました。
- 入浴用いす(購入):
- 選んだ理由: 浴室での転倒防止と、座って安全に入浴できるようにするため。コンパクトで、滑りにくい素材のものを選びました。
まとめ
介護用品は、要介護者の安全と快適な生活を支え、介護者の負担を軽減するための重要なツールです。介護保険のレンタル・購入制度を上手に活用し、ケアマネージャーや福祉用具専門相談員といった専門家のアドバイスを受けながら、本人に最適な用品を選びましょう。
賢く選ぶことで、介護の質を高め、経済的な負担も軽減することができます。